世界の医療・予防医療 〜垣花編〜
- 2018.02.19
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- 担当:
寒い日が続いていますが、体調はくずされていませんか?
作田さんからバトンを受け取り
今回は「世界の医療・予防医療」について垣花がお伝えさせていただきます。
突然ですが、孫子の言葉で
「彼を知り 己を知れば 百戦殆からず」
(敵の実力や現状をしっかり把握し、自分自身のことを知るならば、戦いに負ける心配はない)
というものをご存知でしょうか?
誰とも一切戦う気はありませんが(笑)
「自分を知る」ことは安易なようにみえて、なかなか難しいと私個人は実感します。
「他者を知る」ことでさらに深く「自分を知る」きっかけになればと思い
今回、世界の医療・予防医療についてまとめました。
では、私個人が気になった国をいくつかご紹介いたします!
【イギリス】
・1990年 予算管理家庭医制度「GPファンドフォルダー」(General Practitioner)
病院ならびに専門医サービス、処方薬剤の費用も含めた予算を自ら管理運営する組織。
→のちにプライマリケアグループ「PCG」(Primary Care)に改編、85のPCGにおいて、プライマリケア医400人が患者80万人に対して、看護師との協力において治療に関与
・1997年 NHP予算の増加を軸とする体系的な改革を実行
→待機時間の短縮と医療の質の向上
・「プライマリ・ケア」
→国民のあらゆる健康上の問題、疾病に対し、総合的・継続的、そして全人的に対応する地域の保健医療福祉機能
GPの診療所レベルでも患者のミーティングが定期的に開催され、診療所スタッフと地域住民が良い医療の提供について議論する場が設けられるなど、イギリスは医療への住民参加を促しています。
また、PCGで臨床業務・処方効果改善・健康促進・患者親善・臨床計画などに貢献した医師に対しては、8地区20組に6000万ドルの報奨金を授与することで、医師の予防に対する意識も高めるよう取り組んでいます。
【アフリカ大陸】
・エイズ蔓延など問題山積でも民間伝統医療がたより。
貧困のため8割が近代医療の恩恵を受けられず、民間伝統医療に依存する状態です。そのため、平均寿命は50歳前後と低い水準です。(日本は80歳以上)
【オーストラリア】
・数年前から国を挙げて予防に向けての医療・保険制度改革に取り組んでいる。
→主に州政府やその下の地方自治体が公立病院を管理・運営し、連邦政府はプライマリケア―などの事業を担う。
・医療・保険制度に対する批判や不満が大きく。ヘルスケア分野での支出増加や医療サービスの需供状況の不均衡、人材の不足、運営の非効率性などに加え、医療の安全や質に対する人々の関心が高まる。
→7年前に「NHHRC」(National Health and Hospitals Reform Commission)を組織
「NHHRC」を組織することで大規模な調査などを基に提言をし、改革に乗り出しました。医療系サービスに対して予算財源を増やし、治療より予防に焦点をあてた医療の実現を目指すもので、特に糖尿病患者の減少を狙っています。
疾病予防や早期防止のために新たな省庁を創設し、ヘルスケアと老人ケアの連結と統合、次世代にむけたプライマリ・ヘルス・ケアの基盤の確立を目指すなど、近年大きく改革を行っている国のひとつです。
【中東】
政情が不安定な国や地域では、内戦により医療システムは崩壊。医療者の不足、医療施設への意図的な攻撃が続き、悪化の一途を辿っています。
政情が安定している国では、ユニアラブ医学(祈祷と薬草、蒸気風呂など)の代替医療から近代医療へ傾斜しています。
【アメリカ】
医療費は10割負担。(例:風邪で5~10分程度の診察を受け処方箋をもらって約2万1500円)そのため、予防医学が中心で行政、企業、民間人のすべてに“健康は予防で守る”という認識があります。“自分で考える医療”
アメリカでは、旅行会社、ホテル業界が提携する予防医療とセットのプランが好評になるほど、国民の予防への意識は高いです。
【韓国】
・国をあげての政策、胃がん死亡者を減らすことに成功。
→検査を受けない人には、医療費を高く。
・「韓方」中国の伝統医学「漢方」を韓国の風土や韓国人の体質や生活習慣などに合わせて、オリジナルで研究され発展したもの。
韓国では韓医学は現在でも尊重されており、日常の診療にも使われています。
韓医学には「ああならないためには、どうすればよいか」という考え方が根本にあるのが特徴です。また、韓国料理では韓方で薬剤として使われる食材を使った料理が一般家庭でも食べられていることが多く、昔からの生活の中に予防につながることが多く、生活習慣として根付いています。
「世界の医療・予防医療」をまとめてみて、日本の予防に対する意識の低さ、また政府による取り組みの怠慢さを実感しました。
内戦など、予防以前に医療自体制度が整っていない国もあります。様々な情報を得たくても、得れない環境に住む人もいます。
しかし、私達はいつでもほしい情報を得る事ができ、多くのことから物事を選択し経験できる恵まれた環境にいます。その環境の中で、知ろうとしないこと、しようとしないこと、選択しないことはとても「もったいない」と私は感じます。
日々進化・変化を続ける医療や社会。それにともない意識や制度もつねに改善を目指す必要があるのではないかと思います。
こうしてBlogでお伝えすることで、国の制度や国民全員の意識を変えてしまう程の大きな影響を与えることができたかと言われればそれは“NO”です。しかし、1人でもこのBlogリレーを見て、社会や予防医療について考えていただくきっかけになったのであれば、大きな影響ではなくとも新たな未来をつくる小さな小さなお手伝いになるのではと思います。
予防を「当たり前」に。
そんな未来にむかって、クリアを通して小さなことを積み重ねていこうと思います。
次回、中井さんでBlogリレーもついにアンカーです!
女性と福祉にフォーカスしお話します。
最後までお読みいただきありがとうございました!